政治姿勢

政治家としての原点と決意

イナミネ伸作

大学2年生の時に父親を亡くした私へ母校の創立者であり、公明党創設者でもある池田大作先生から和歌を贈って頂きました。『君もまた 我らも元初の友なれば 百福荘厳 智慧は無上と』

私なりの解釈ですが、「父を亡くしてさびしいだろう。不安もあるだろう。けれども、限りなく智慧を湧き出だして人生を勝ち飾っていきなさい」

折あるごとに目にして心の中で読んでいたのでしょう。いつの間にか脳裡に染み込んでおり、人生の師匠の激励と薫陶が青年時代の支えとなりました。

そして、母子家庭となった我が家。私と短大生の妹を無事に卒業させ、社会へ送り出そうと奮闘してくれた母には感謝しています。今だから目に見えない苦労が理解できます。学費はこれまでの蓄えから母に出してもらい、生活費を奨学金とバイトで賄いました。その時の母は日中は引き継いだ父の管理人の仕事を済ませて、夜は教材販売のコールセンターで3時間のバイトを行い、ダブルワークで子ども二人を無事に卒業させてくれました。

六人姉妹の次女である母は、私からは叔母となる妹たちから「姉さん、せっかく希望する大学に入った子ども達の学費など生活は大丈夫?」と問われて「いざとなったら家を売ってでも卒業させる」と答えたそうです。おかげ様で父との思い出が詰まった家は売らずに現在も住んでいますが。

ですから、私の政治家としての原点は、まさに母の姿を通して『大衆とともに生活を守る政治を築いていくこと』です。

公明党は生命・生活・生存を最大限に尊重する人間主義を基盤として、右とか左とかイデオロギーに左右されない中道の政治を貫いています。言い換えると安定した政治こそ、安定した社会をなし得る。そのバランスを図っているのが公明党の役割です。権力や役職にこだわらない。

だからこそ、信頼と実績を純粋に築き上げることができると思います。結果的に現在(2020.12月末時点)、県内11市中、議長が名護・豊見城・南城・石垣の4市、副議長が宮古・我が浦添の2市、沖縄市では公明党から副市長も誕生しています。公明党は去る11月17日に結党から56年目を迎えましたが、草創からの同志の皆様の真心からのご支援があったからこその今です。

改めて、原点を忘れずに皆様に誇って頂ける政治家として精進していくことをお誓い申し上げます。

イナミネ 伸作